2016/12/20

[Power BI Desktop] エクセル複数ブックの取り込みが簡単になりました

データベースサーバーや、クラウドサービスをデータソースにするだけではなく、Power BI Desktop や Excel の取得と変換や Power Query は「Excel のブック」や「Excelのワークシート」をデータソースとして活用するシーンも十分に考えられます。

すでに、あるフォルダーにある複数の Excel ブックを取り込む方法を紹介してきましたが、もっと簡単になりました、というブログ記事が 2016年12月19日の Microsoft Power BI Blog にて公開されました。

Microsoft Power BI Blog - December 19, 2016 by The Power BI Team
Combining Excel Files hosted on a SharePoint folder with Power BI



原文は「SharePoint フォルダーの複数のExcelファイル(ブック)を Power BI で結合する」という内容です。SharePoint フォルダーを例にしていますが、SharePoint でなく、ローカルのフォルダなどでも同様の操作になります。

これまで、Excel.Workbook 関数を手で入力する方法を紹介してきたわけですが、それをせずとも、複数ブックを結合することができるようになりました。まだ、Power BI Desktop (2016/11版) でしか確認できていませんが、そのうち Excel の取得と変換や Power Query でも利用可能になるでしょう。

以下は、SharePoint フォルダーではなく、ローカルのフォルダーで試してみての結果です。

・ フォルダーを指定して [編集] ボタンでクエリ エディターを起動


クエリ エディターでは、フィルダーにあるブックの情報(属性)が表形式で表示されています。ここから、名前や拡張子などを使って「オートフィルター」のフィルターオプションと同様の操作で絞り込みました。

・ [バイナリの結合] ボタンで Binary からオブジェクトを取り出す

これまでは、[Content] 列にある [Binary] の中にあるオブジェクト(シートやテーブル)を取り出すために、カスタム列の追加と Excel.Workbook を使って、ブックの中にあるシートやテーブルを抜き出していましたが、今回の拡張から、[Content] 列のバイナリの結合ボタンを押すと、新しいダイアログウィンドウが表示されるようになりました。

[Content] 列にあるバイナリの結合ボタン
バイナリの結合ウィンドウ
この後の操作はこれまでのものと似ているのですが、ここで例えば「4月」のシートのアイコンを選ぶと、4月シートのみが展開されますが、「サンプル バイナリ パラメーター」のフォルダアイコンを選択して、[OK] を押すと、各ブックの Binary にあるシートやテーブルのオブジェクトが抜き出されます。

Data列が追加され、Binaryの中のTableが抜き出された状態
Data列の展開ボタンをクリックすることで、4月、5月、6月のワークシートのデータを結合し、展開された状態になります。

・ テーブルだと本当に楽です

ただし、テーブルでなく「範囲」だと、不要な行を削除したりする必要があります。もちろん、もとのブックに含まれるデータが「テーブル」であれば、不要な行に対する処理は必要ありません。

現時点では Excel 2016 の Office Insider スロー更新チャンネルの「取得と変換」では、上記の機能は確認できていませんが、近いうちに Excel でも利用可能になるでしょう。

1 件のコメント:

  1. 4月4日公開の
    powerQueryバージョン: 2.42.4611.421 32 ビットで
    確認できました。便利ですね

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自己紹介

自分の写真
1989年新卒で日本IBMに入社しダウンサイジング担当としてホストコンピュータと繋げるオフコン、UNIX、PCサーバーのプロジェクトを担当。1997年 MSKK(現日本マイクロソフト)入社、NT4出荷に伴い企業向けサポート部門のビジネスマネージャーとして Excel 使いとなり、2002年 にMSMVPなどをサポートするユーザーコミュ二ティ部門を設立、部門をリード。2006年にMSKK退職後、企業向けのITトレーニング会社・団体に携わり、2014年頃よりPowerBI勉強会主催メンバーの一人として参画、そのコミュニティ活動で MSMVP for Data Platform PowerBI 2017受賞。https://mvp.microsoft.com/ja-jp/PublicProfile/5002635 同年にMVP Awardを返上し、アマゾン ウェブ サービス ジャパンに入社、コミュニティプログラム担当として現在に至る。